ジャスティス・ウィンズロウの獲得とグリズリーズの未来について

JaM

どうも!JaMです!

先日のトレードデッドラインでグリズリーズはアンドレ・イグダーラジェイ・クラウダーソロモン・ヒルを放出し、見返りとしてジャスティス・ウィンズロウジェームズ・ジョンソンディオン・ウェイターズを獲得しました。

後にジェームズ・ジョンソンをウルブスへ放出し、ウェイターズをウェイブ(解雇)したことから主目的はウィンズロウの獲得だったことが分かります。トレードの内容的にはヒートが有利だという声も多いですが、なぜそこまでしてウィンズロウの獲得に拘ったのか、グリズリーズの未来も考えながらまとめていきたいと思います。

ジャスティス・ウィンズロウについて

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ウィンズロウは名門デューク大(Duke University)出身のスモールフォワードで、在学時は1年生ながらスターターに定着し平均12.6得点6.5リバウンド2.1アシスト1.3スティールを記録。その年のNCAAチャンピオンにも輝いています。その身体能力と成長性を買われ、2015年のドラフトでマイアミ・ヒートに1巡目10位で指名されNBAデビューを果たします。

1年目はディフェンス面を評価され、78試合に出場し平均28.6分の出場で6.4得点1.5アシスト5.2リバウンドを記録しています。2年目、3年目は肩の怪我に泣かされ思うようなるシーズンを送ることができませんでした。

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しかし4年目の昨シーズンついにスタメンの座を掴み取り、出場した66試合のうち52試合でスタメン出場。ルーキー時代と変わらない平均29.7分の出場時間の中で12.6得点4.3アシスト5.4リバウンドを記録しています。

シーズン途中からはポイントガードとして出場する機会も増え、バスケットボールIQの高さも証明してくれました。中も外も攻められる多彩な攻撃パターン巧みなアシスト、すべてのポジションを守れるディフェンス力など多くの武器を兼ね備えるスウィングマンです。

年齢的にも23歳と若く、まだまだ今後の伸びしろが楽しみな選手の一人です。

こちらの動画でウィンズロウの良さがまとまってますので、気になる方は御覧ください。

ウィンズロウとグリズリーズの将来図

グリズリーズはジャ・モラントジャレン・ジャクソンJr.を中心にチーム作りを進めており、先日ディロン・ブルックスとの3年3,500万ドルの契約延長を交わしたことを考えると今後はこの3人をコアメンバーとしてチームを作っていくことになるでしょう。また、現段階ではセンターのヨナス・バランチュナス、6thマンとして活躍中のブランドン・クラークも将来のチーム構想に入っていると思われます。

そう考えるとスモールフォワードのポジションはまだ明確なコアが決まっていない状態。ウィンズロウは最後のピースとして、重要な存在になり得る可能性があります。

グリズリーズのチームスタイル「ペース&スペース」

グリズリーズは今季からテイラー・ジェンキンスHCに変わり、昨年までの「グリッド&グラインド」のチームスタイルから、「ペース&スペース」へと変化していっています。特に今シーズンのグリズリーズは48分間の平均ポゼッション数が110.0回でリーグ3位の試合展開の速さを誇っています。昨シーズンは平均100.9回でリーグ24位だったことを考えると、ヘッドコーチと主力プレーヤーが様変わりしたことでチームスタイルを大きく変えてきていることが分かります。

また、ピック&ロールを起点にボールハンドラーにスペースを与え、そこから始まるパスワークから確率の高いシュートを狙っていきます。ジェンキンスHCが求める「ペース&スペース」のスタイルがシーズンを追うごとに徐々にフィットしてきており、リーグ1位のアシスト数リーグ6位のフィールドゴール%に繋がっていると考えられます。

スペーシングを活用していることもあり、センターやパワーフォワードの選手がペリメータ付近まで広がっているケースが多く、積極的にスリーポイントも狙ってきます。特にジャレン・ジャクソンJr.に関しては、今シーズン1試合あたり平均6.3本のスリーポイントを放っており、39.7%と高確率で沈めています。

求められる万能性

こうしたチームスタイルから、グリズリーズのウィングプレーヤーには万能性が求められますし個人的にはウィンズロウはグリズリーズにフィットすると考えています。

グリズリーズ開幕戦となった10月23日のヒート戦でウィンズロウにやられたのを今でも覚えています。

この試合ウィンズロウは27得点、7アシスト、7リバウンドと活躍しヒートを勝利に導くわけですが、効果的なドライブインからフィニッシュまで持ち込む力強さ、ピック&ロールからオープンの選手に対する鋭いアシスト、強靭な体を活かしたリバウンドなど、まさにオールラウンドな活躍でした。

スリーポイントに関しては今シーズン成功率22%と不調ですが、11試合しか出ていませんし昨シーズンは成功率38%で沈めていたことを考えれば、期待できる部分でもあると考えています。

もっとも、ウィンズロウはフィニッシャーとしての能力も長けているので、スリーが打てずともグリズリーズのスペーシングとパスワークの中から、効果的なドライブインを仕掛けられるでしょう。そういった点でもチームとの相性は良いと考えています。

チームケミストリーの早期構築

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そしてプレースタイルだけでなく、チームの環境もウィンズロウにとってはポジティブなものになっています。現グリズリーズに所属しているタイアス・ジョーンズグレイソン・アレンはウィンズロウの大学時代のチームメートで、彼らとともにNCAAチャンピオンにも輝いていることを考えると、チームにも溶け込みやすい環境なのではないでしょうか。また、先日キャリア初のトリプルダブルを達成したジャ・モラント。この記録の裏側にはウィンズロウからリバウンドに関するアドバイスがあったのだとか。

移籍早々、積極的にコミュニケーションをとり試合に出ていなくともメモリアルな瞬間をお膳立てするなど早速良いケミストリーを構築しているようです。

ウィンズロウが抱える不安材料

ここまでウィンズロウ加入に伴う魅力的な点を挙げてきましたが、もちろん課題や問題点があるのも事実。特に下記の2つに関しては乗り越えられるかがウィンズロウ自身の今後のキャリアを左右すると言っても過言ではありません。

そして、これらの不安材料を改善することができればウィンズロウはグリズリーズの将来に不可欠な核となる選手へと成長することでしょう。

不安材料1:健康面

不安材料の1つ目は健康面。ヒートでのキャリア2年目にシーズン全休となる肩の怪我を負ってしまい、3年目も怪我で1ヶ月ほどチームを離れるなどシーズン通して安定した出場を果たせていない現状。今シーズンに関しても背中の怪我で僅か11試合の出場に留まっています。

今シーズン中の復帰に向けて勧めているそうですが、無理はせずにしっかりと治した上でコートに戻ってきてほしいなと思います。

不安材料2:精神面

そして2つ目の不安材料として挙げられるのは精神面の弱さ。肩の怪我をした2年目から昨シーズンまでは、怪我の影響で思うようにプレーができず精神的に落ち込んでいたことを告白。試合前日の夜も眠ることができず、コートに立っても考えすぎから精彩を欠くプレーにつながっていたとのこと。

また、SNSでの自分に対する批判などネガティブな要素に目が行くようになるなど精神面での問題を抱えていました。

現在は周りのサポートもありメンタルコントロールが出来るようになったとのことですが、グリズリーズが再建中の若手中心チームということを考えると、この精神面の弱さは不安材料となり得るでしょう。

グリズリーズのウィング候補から目が離せない

さて、今回は新たにグリズリーズに加わったジャスティス・ウィンズロウについてまとめていきましたが現時点ではスタメンを約束されているわけではありません。

現在のスターティングメンバーのカイル・アンダーソン、最近プレイタイムが増えてきているジョシュ・ジャクソン、Gリーグで活躍中の渡邊雄太などグリズリーズのウィングは熾烈な闘いが繰り広げられています。

総合力的にはウィンズロウが頭一つ抜き出てるかもしれませんが、そのポジションを狙っている選手は多いハズ。

再建中のチームだからこそ、ジェンキンスHCには色々なパターンを試してみてもらいたいなと思います。

頑張れ渡邊雄太!

 

それでは!